8月コラム
『やりたいことは憧れから』
毎日、近所の林道をジョギングしているのですが、全力で体を震わせ大きな音を出しているセミを見ると、「こんなに小さな体のどこにそんなエネルギーがあるのだろうか」と、セミを見るたびに思います。
エネルギーというと、植物もそう。自宅で育てているキュウリもあんなに小さな苗だったのにいつの間にか、立派に育ち、たくさんの実をつけていく。
元は小さな小さな種だったものが、色んな影響を受けて、大きくなりさらにエネルギーをまとっていく。
神秘的だなと感じた最近でした。
そんなエネルギーというか、熱量。
人が集まると場所には空間のエネルギーがあります。
先日、通っている大学院のイベントで『あすか会議』というのがあり、社会人学生が千人以上集まりました。
冷房が効いているので、そんなに暑くはないはずなのに、熱気がすごく、すごい熱量を感じる2日間でした。
あすか会議はは色んなセッションがあり、自分の興味のあるテーマのセッションに出席し、お話を聞く。
というスタイルで開催されたカンファレンスでした。
その中でも一番、印象的だったのは『千日回峰行』という修行を行った塩沼亮潤さんのお話でした。
千日回峰行とは、毎年、5/3から9/3の期間、午前0:30に出発し、48キロの山道を歩いて15:30に戻ってくる。
それを毎日、雨の日も風の日も9年間かけてやり続け、その修業は達成した。
となるそうです。
山道を歩くだけで良いわけではなく、普段のお勤めもあり、掃除・洗濯・食事の用意などもしなければならず、睡眠時間は4時間ほどだそう。
しかも、その修業はやり始めると、途中でやめることはできず、もし、途中でやめるなら、持っている短刀で腹を切る のが掟だそうです。
想像しただけで、過酷極まりない修行。
そんな修行を終えて、気付いたことをお話してくださいました。
<負荷がかかるから修行になる>
どうしても、しんどいことや負荷のかかることから、楽な方へと流れてしまいがちな私たち。
「めんどくさいなー」と思ったら、やらなくなったり、距離をとったりしてしまいます。
でも、本来はそこにこそ力がつくポイントがあり、負荷(壁)を乗り越えた時にこそ、力がつくものなのだと。
また、自分ができるから、自信をもって言い切れる。
言葉だけの言葉には力が無く、届かない。
その人の体験総量、体験を通して感じた事こそが、言葉に体重がのり届くのだと。
過酷極まりない修行をやり切った人の言葉だからこそ、心の奥深くに届いてきました。
<キッカケは憧れ>
その修業をやるエネルギーの源はどこから出てきたのですか?
という質問に対しての回答が、「憧れです」とおっしゃっていました。
子どもの頃にテレビを通して千日回峰行というのを知り、「かっこいい!やりたい!」と思ったのがキッカケで修業ができる場所を探したそうです。
こんな話もありました。
千日の修行の中で調子がいい時は何日ぐらいあったと思いますか?と問いかけられ、1割ぐらいかな?と思っていたら、調子のいい日は無くて、調子が悪いか、最悪しかないとのことでした(笑)
これは一つのユーモアかもしれませんが、私も六甲縦走という56キロの山道を14時間ほどかけて歩くということをやったことがあります。
次の日は、普通に歩けないぐらい体がボロボロです。
それを何日も続けるなんて、超人としか言いようがありません。
そして、心に残ったのは修行の最中、毎日、日記をつけていて、「修行をやりたい」と思って出発したときは○(白丸)
「やりたくないけど、やらねばならぬ」と出発した時は●(黒丸)
をつけることにしていたそうです。
修行の最終日、999日目に日記を見返して見ると、全て○だったそうです。
その時に、心掛けたことは「人生で一回の修行、だからこそ○にしたい」そう思って、毎朝起きていたそうです。
これぞまさに本質
「やりたいことだから、頑張ろうと思える」と感じました。
どうすれば、そんな、やりたいことが見つかるのか?
「毎日一生懸命生きる」
「目の前のことを全力でやる」
全力でやるから見えることがあり、できるようになっていく。
とおっしゃっていました。
私は、やりたいことがたくさんある方だと思うのですが、その「○○やりたい!」って思うことは、全部、『憧れ』から来ていることに気付きました。
あんな人みたいになりたい!
自分もあんなことをやってみたい!
うわ、カッコイイ!
そんな憧れが、自分のやりたいことになり、頑張ろうと思える
現在、沢山の人に関わらせてもらっている私ですが、「あんな人になりたい」と言ってもらえるような、憧れられる人になりたいなと思います。
この夏も、自己研鑽頑張ります!
それでは素敵な夏休みをお過ごしください。
舟木将人