2019 11月コラム

『可能性を信じる』

 

 

 10月末はお休みをいただき、オーストラリアに3泊5日という弾丸日程で短期留学に行って来ました。
英語の勉強をしたいと思ったのが3年前。
ようやく日常会話レベルなら対応できるようになり、宿泊先はホテルではなく、民泊(ホームステイ)を選んでいます。
ネットで申し込めて、寝室を一部屋を借り、キッチンやお風呂はシェアというものです。
と聞くと、少し抵抗感のある人もいるかと思いますが、ホテルに泊まるよりもホストとの会話があり、いろんな体験ができて楽しいものです。

 以前、先輩から「ホームステイの時にカレーを作ってあげたら喜んでくれたよ」という話を聞き、自分でもやってみると物凄く喜んでもらえたことがあり、それ以来、外国に行く際はカレーのルーを日本から持って行き、野菜などを現地で調達、ホストファミリーにディナーとして振る舞うようにしています。

面白いもので、本場のインドカレーはどこの国でもあるのですが、日本でにあるカレーライスは食べる機会がないようです。

 


しかも、日本人にとっては当たり前の炊飯器が家庭にありません。
ご飯を炊くには鍋で炊くしかなく、軽量カップも日本とは大きさが違います。
 

 

キャンプ好きの私は、普段から目分量でお米と水の量を調整し飯盒でご飯を炊いているので問題なく炊けたのですが、こういう時にスイッチを入れるだけで炊ける炊飯器のありがたさや、文化の違いなどを感じます。

 


初日は私がカレーをご馳走し、2日目は、ホストのNikolaがジャガイモを使った地元料理を振る舞ってくれました。
3日目は、お好み焼き。

いつも、カレーばかりだと面白くないので今回は「お好み焼きを作ろう」と日本からお好み焼き粉とソースを持っていきました。

お好み焼きという名前すら聞いたことのないNikolaは興味深々です。
鰹節・天かす・青のりも初めてだと言っていたので、口に合うか心配でしたが「とても日本らしい味だ」と喜んでくれました。

 

『日本人』を普段の生活で意識することはあまりないですが、こういう時は少し誇らしく思ったりもしました。


 さて、今年の運動会はすべて終了したのですが、練習の中で大きな気付きがありました。
本番3日前の練習のことです。
大繩の発表をチームごとにするのですが、ほとんどのチームが5回跳べるようになったのに、何故かこの日、1回も跳べていないチームがありました。

よく見ると、久しぶりに見たA君。

あまり登園しておらず、練習もほとんどしていない状況でした。
言葉を選ばずに言うならA君がチームの足を引っ張っているのは明らかで、A君が引っ掛かるので他の子も跳べずにいました。
 

 


そんな時、誰かがボソッと「A君が休んでるときは10回とか跳べるねんけどな。。。」と言いました。

 


担任の先生に状況を聞いても「A君なかなか登園してきてくれないので運動会の練習する時間がなくて。。。」と

 


もう、あと本番まで3日。

 

 

 

「さすがに練習しなかったらできないだろうし、練習してないのは本人の問題でもある。しかも、他の子がそれで跳べないのはかわいそうだな」なんて思いながら

どうしようか?と色々考えました。

・練習していないのは仕方ない、A君だけ一人で跳んでもらう。
・A君が入るのと入らないのを2回する。
・引っかかっても仕方ないという事で、このままいく。

考えれば考えるほど、どれも良くない気しかしない。


どう考えても、目指すべきところは1つしかなく

 


A君が「縄跳びをやりたい」と思い3日で跳べるようになる

 


その為に全力を尽くすしかない。と思い直しました。


全体での練習を早めに終らせ、残り時間を自由時間に。
残された時間は約10分。
うまくA君を誘い、縄跳びの特訓を開始。

A君が何を感じているのかをよく観ながらスモールステップで特訓をすすめていく。
 

 

だんだんタイミングが合ってくる。

 


良かったところを伝えながら練習していると、まずは1回跳べるようになる。

また良かったところを伝えていると、A君も楽しくなってきたようで明らかに取り組む姿勢が変わってきて、2回できるようになり、3回跳べて、ついに5回跳べたのでした。

ここで時間切れ。

最後に特訓の成果を皆に見てもらうことに。

 

 

 

クラス30数人と担任の先生が見守る中、見事に5回跳ぶことができました。

歓声と拍手が起こる中、私が「A君の縄跳びを見た感想を言える人!?」と園児には少し難しいことを言うと、サッと何人かの手が挙がる。

「では、Sちゃんお願いします!」

「Aくんさっき、Aくん、さっき頑張って、、、練習してたから。。。できたんだとおもいます。」

もう、泣きそうになりました。

 

きっと精いっぱい感じた事を言葉にしてくれたんでしょう。

 

クラスのみんなもシーンとなります。


私「じゃあA君、一言お願いします!」と言うと

A君「みんな、、、ありがとう。」

 


涙さえ流しませんでしたが、確実に私の目には涙が溢れてきました。
 

 



『どこかであなたの頑張りを見てくれている人必ずいる』
 

 


そんなことを言われたり、自分も経験したことありますが、まさにそういう状況でした。

「見てて」と誰に伝えた訳でもなく、私とA君が二人で練習してるのを遊びながらも見てくれている人がいたのでした。

 

 


きっと、A君が集団のまま練習してたら、できないままだったし、私と2人で練習しているだけでは、頑張りを認めてもらう事は出来なかった。

 

クラスの皆がいたから認めてもらえたし、クラスの皆はA君がいたから「頑張ればできるようになる」瞬間を目の当たりにできたわけです。

 

 

 

A君にとってもクラスの子ども達にとっても、本番で縄跳びがただ成功するよりも大事な経験ができたんじゃないかと個人的に思っています。

 

 

 

個・集団 どちらも必要だと改めて感じるエピソードでした。

 

 

 


 そして、私にとっての学びは「本番どうしようか?」と、一瞬でも悩んだところにありました。

 


この子はこうだから。
この子には無理だろうからと。

子ども達にとって目に見えない壁を作ってるのは、大人で、いつも決めつけているのは大人なんじゃないか?

 

 

 

もしあの時、自分が思い直さなかったら。。。

 

と思うと責任の重さを感ます。

 

でも同時に、良い方向にいけば、素晴らしい体験に結びつけられるということでもあります。

 


「可能性を信じ、最後まで絶対にあきらめてはいけない」

 

そんなことを知る貴重な学びの機会になりました。

 

 

 


 

 


舟木将人

 

 

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