9月コラム

『夏休み』

 

さあ、いよいよ9月。

暑さもひと段落し、秋を感じる時間が増えてきました。

あっという間に運動会や遠足などの行事がやってくるので、忙しくも充実した秋になりそうですね。


 さて、この夏、私も1週間ほどの夏休みをいただきました。
予定では友人と旅行に行く予定でしたが、友人が急遽体調不良により行けなくなり、久しぶりの1人旅となりました。


コロナ前は長期休みが取れると、外国へ行ってホームステイをしながら、ホストファミリーにお好み焼きやカレーを振る舞い仲良くなって帰ってくる。というようなことをしていました。
 

初めての場所で、初めての人とコミュニケーションをとり、知らない文化や考え方に触れる。

楽しさもありますが、色んなことを感じたり、考えたりできるのが『旅』の醍醐味です。

また、こちらが一人だと周りも気を遣って話しかけてくれるので、誰かと一緒にいる時よりも、たくさん話しかけてもらえます。

 

そんな1人旅ならではの良さを久しぶりに体験してきました。

今回は、その中でも人生初のマグロ釣りをしたことを書いてみたいと思います。


朝の6時半、指定された漁港に行くところから始まります。
予約時に電話で話したことはありましたが、実際に会うのは今回が初めまして。

初対面なのでお互い緊張しながらの挨拶でしたが、気さくに振舞ってくれ、1人だったのもあり、気を遣って色々と話しかけてくれました。

 

港から、魚礁(魚の集まるポイント)までは約1時間、船を走らせます。

ポイントに到着すると、辺りでは海鳥が飛び回り、水面では小魚が群れており、その小魚を捕食しにカツオの群れが大暴れ。

バシャバシャと船の周りは超にぎやかで、船長が「今日はいい日かもしれませんねー」と一言。


私としては、早く釣りをしたくて、ソワソワしているのですが、まずは仕掛けを用意しなければ、釣りができません。

はやる気持ちを抑え、船頭さんに教えてもらいながら仕掛けを用意します。

 

ただ、言われたとおりにやってみるものの、何の為にこれをするのか?がまだ分からないので、要領がつかめず上手くできません。というか、これであってるのかどうかわからない状態でした。

 

釣りを始めてようやく、ここで、こうなって、こうなるんだ。

と理解し、うまくできるようになりました。

やはり、実際にやってみることの大切さ

やってみて、考えて、ようやく理解が進むんだなと感じました。

 

 さあ、いよいよ釣り開始。
大きなキャベツぐらいある電動リール(糸を巻く道具)と、物干しザオぐらいある太い釣り竿を使います。
 

最初の1時間は釣れなかったのですが、1時間ほど経った頃、ようやくアタリ(反応)がありました。


竿がブルブルと震えたと思ったら、弓なりにしなる竿。
慌てて、リールの巻き上げボタンを押し、巻き上げ開始
150メートル、100メートルと少しずつ近づいてくるもののすごいパワーで、近づいてきては離れ、また近づくの繰り返し。

20分ほどしてようやく、残り10メートルまで上がってきました。

青い海の中にキラリと光る大きな魚体に大興奮。

 

水面までくると船頭さんが手際よくカギを使って船の上に引き上げてくれました。

大きさは約20キロ
釣りたてのマグロは本当に美しく、透き通った大きな目。

金や銀、青色に全身がキラキラ輝いています。

長いヒレも、まるで飛行機の翼のよう。

しかも、ヒレは折りたたむとピタッと体に収まるようになっています。

まさに、泳ぐために生まれてきたというぐらいうまくできていて、神秘的でした。

その後もコンスタントに釣れて初めてのマグロ釣りは大漁でした。

 

釣ったマグロは、旅の途中で仲良くなった地元の人にあげたり、持って帰る用にように1匹捌いてもらったり、お世話になった船頭さんにプレゼントしました*セリに出すそうです

 

せっかくなので、「釣りたてを食べたいな」と言うと、近くのお店に行けば、調理してくれるとのことで、お店の手配までしてくれました。
 

さらに、「せっかくなので一緒に飲みませんか?」と誘ってくれ、ご一緒することに。

誘ってもらう嬉しさを感じました。

「自分ももっと誘える人になりたい」とも思いました。

 

お店では、マグロのお刺身から始まり、照り焼き、フライに天ぷら、お寿司とマグロのフルコースをいただきながら、船頭さんと色んなお話をしました。中でも印象的だったお話があったので、最後に紹介して〆たいと思います。

 

 船頭さんは年に2回、定期的に船を点検に出すようにしているそうです。定期的に見てもらうことで、今は問題ないけど今後、調子が悪くなりそうな部分や交換しておいた方がいい場所などがみつかり、故障やトラブルを未然に防げるそうです。


多くの漁師さんは故障したり、調子が悪くなってから修理や点検に出すそうですが、それだと故障の本当の原因がわからなくなってしまうそうです。


Aという部分が悪いために、Bが故障してしまう。

すると、皆、Bだけを修理する。

でも、根本的な原因を取り除いていないので、しばらくしたらまたBが故障し、その影響で次はCも壊れてしまう。

なんてことがあるそうです。

そうなると、もう原因が迷宮入りしてしまい、結果的に大掛かりな修理や交換が必要になってしまうそうです。


とても本質的な話だと思います。

そして、私も含め、皆さんの身近なことにも置き換えられる話ではないでしょうか。

 

身体についてもだし、全てのことに通ずる話だと思います。


病気になったり、怪我をしてから病院に行く、トラブルが起きてから対処するのではなく、日々のメンテナンスや調整、確認。

予防の観点が大事なんだなと感じさせられました。

たくさんのことを感じ、考えた今年の夏休み

また、イベント等、どこかのタイミングでシェアできる機会があればいいなと思います。

それでは、充実した秋になりますように。

 

 

舟木将人

 

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