2月コラム
『まずは小さな一歩から』
ちょうどこのコラムを書き始めて、5年。
書いたコラムの記事は60になりました。
いつもお読みいただきありがとうございます。
我ながらよく続けているなと感じます。
というのも、書き始めたころは、自分の考えや、感じた事、そして、普段の生活のことを人に伝えるのが怖いと思っていました。
また、最近はなかなか信じてもらえないのですが、人見知りです。
だけど、少しずつ外国に行くようになってから改善されてきたような気もしていて、今回はそのことについて書こうと思います。
この年末年始はギリシャとエジプトに行ってきました。
なぜ、ギリシャとエジプトなのか?と聞かれると、歴史を感じられる場所に行くのが好きなようです。
今回は3年ぶりの外国でしたが、毎回、旅に行くときは楽しみより不安や怖さの方が勝っています。
何と言っても知らない地に初めて行くのは、不安だし怖いし、緊張の連続です。
空港に着いた瞬間、国によって匂いや雰囲気が違うし、人種も様々、いろんな言葉が飛び交っています。
帰る頃には何の事もないのですが、到着時は空港から出るだけでドキドキします。
また、いつもホテルではなく、民泊(ホームステイ)をするので、教えてもらった住所だけを頼りに、ホームステイ先までたどり着かなければなりません。
スマホの地図だけが頼りです(笑)
色んな交通手段を使って向かうのですが、切符を買うだけでも不安と緊張の連続。
タクシーに乗る際も、ちゃんと連れて行ってくれるのか?正しく目的地が伝わっているのか?と不安になります。
それが、夜だと更に不安は増します。
子どもの時以来の感覚で、暗いだけで早く安心できる明るい場所に行きたくなります。
ホストファミリーのもとへ到着し、インターフォンを鳴らし対面する時もドキドキは続きます。
お互い、軽い自己紹介を済ませ、家の使い方を説明してもらい、自分の部屋に入って、ようやくホッと一息。
そのあと、家の周りを散策しながら、少しずつ行動範囲が広がっていきます。
暗い部屋の中で、少しずつ目が慣れていきやがて全体像が見えると言った感覚です。
数日間、滞在するのですが、ホストと一緒に過ごす時間が長くなってくると会話も増え、打ち解けていきます。
ご飯を作ってあげたり、作ってもらったり。
お薦めのお店を紹介してもらったり、時には一緒に食べに行ったりもあります。
打ち解けるのに大切だと思うことは、自分から、話しかける事。
理由は相手もこちらと同様に緊張しているし、話しかけていいか迷っているからです。
だからこそ、こちらから先に話しかけ、聞けば、教えてくれるし、ご飯を作ってあげると、相手もご馳走してくれる。
キャッチボールと同じで、ボールを投げないと始まらないし、ボールを投げれば始まります。
そんな、キャッチボール(関わり方)をする中で、最初はどうしても「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎてしまう。
ホストとのやり取りは英語ですが、自分の英語が間違っていたらどうしよう。
と気にして、気にすればするほど、話しかけにくくなる。
でも、話さなければ何も伝わらないし、何もはじまらない。を経験し、とりあえず話しかけるようになります。
すると、間違っているかどうかを気にしてるのは自分だけで、相手は何も気にしていない事に気付きます。
自分も外国人が、「水を食ベたい」と言ったとしても、「あ、水を飲みたいんだな」と分かるわけで、細かく気にしないのと同じだと思います。
そのうち仲良くなると、英語の使い方がおかしいと、「そういう時はこう言うんだよ」と、教えてくれたり、言い換えてくれるようになります。
また、レストランで食事をするのもドキドキする体験の一つ。
注文の仕方も分からないし、メニューを見ても大概のお店は文字だけで説明が書いてあります。
しかもほとんどが馴染みのない料理名で、何が入ってるか。だけ書かれています。
説明を聞いてもイマイチよくわからないことが多いので、とりあえず頼んでみて、「あ、こういうのね」と、知識が積み重なっていき、食べたい物が食べられるようになっていきました。
過去にあった恥ずかしい笑い話ですが、パスタ(スパゲティ)が食べたいと思って、メニューにあるPASTA欄から、選んで注文すると、スパゲティーではないものが何度も出てきました。
その後、パスタとは小麦と水を混ぜて作られた麺類の総称だという事が分かり、自分の食べたかった「パスタ」はスパゲッティ(spaghetti)を頼まなければいけないと知ったのでした。
そんな初めての場所に行き、初めての体験や、ドキドキ不安になる体験、一歩踏み出してみる体験をたくさんしていくうちに、できなかったことが、できるようになり、知らなかったことが知れるようになり、人見知りも少し改善していったように思います。
『快適さ』 を考えば、ホテルに泊まったり、買ってきた物を部屋で食べたり、パッケージツアーの方がいいかもしれません。
自分で、飛行機のチケットをとり、ホームステイ先を探して、ホストと連絡を取り合って、不安になりながらも現地にたどり着き、自分からコミュニケーションをとって仲良くなっていく。
手間だし、大変だけど、それが旅の醍醐味。
快適なエリア(コンフォートゾーン)から、一歩出る
その積み重ねが、自分の輪(できる事)を広げていくのだと思います。
さあ、まずは小さな一歩から。
舟木将人