9月コラム

『仮説と検証』

 

 

 暑くなってきたと思えば、あっという間に夏休みが終わり、気付けばもう9月。

少しずつ秋の匂いがしてきました。

 

今年も残すところ、あと数か月。

これから迎える運動会シーズンが終われば、あっという間に年末がやってくるような気がします。

 

年々、月日が経つのが早く感じる一方、だからこそ1日1日を大切に生きなきゃいけないと思う今日この頃です。

 

 さて、今回は、畑での出来事を書いてみたいと思います。

今年の4月ごろから始めた畑。

この夏はスイカ、トマト、キュウリ、枝豆、ナス、オクラ、サツマイモ、トウモロコシなどを育てていました。

そんな中でも、ひときわ難しかったのがトウモロコシ

 

種を撒き、発芽させ、日に日に大きくなっていき、順調に雄花が咲き、雌花もでき、受粉させると順調に実が膨らんでいきます。

 

「そろそろ収穫できるかな?」と思っていたある日、畑へ行くと、トウモロコシの皮が少し、めくれていました。

 

誰か、めくって見てみたのか?

それとも、自然にめくれるものなのか?

 

と疑問に思いながらも、そのまま家へ帰りました。

次の日、畑に行ってみると、明らかに何か動物が食べたような痕跡が…

 

カラスなのか、タヌキなのか、イタチなのか、何なのか?

 

手塩にかけて育ててきたので、これ以上は食べられないように防虫ネットで覆い石で抑えたりしました。

 

しかし、次の日、様子を見に行くと、また食べられており、被害は拡大。

被害の状況から、「これはカラスではなさそう」と感じ、柵を作ることに。

高さ1Mほどの支柱を立て、ぐるっと周りに防獣ネットを張ることにしました。

 

今度こそ、大丈夫だろうと思って、翌日、畑に行くと、柵の中に侵入され、食べられた痕跡があります。

 

またか。。。

 

今度、考えられるのは

・高さ1Mの柵を登ったか?

・ネットの下の隙間(掘って)から入ったか?

のどちらか。

 

こちらも完全に意地になっています。

 

今度はネットを登っても上から入れないように上部を塞いでみました。

今度こそ、大丈夫。

 

そう思って、次の日、見に行ってみると、悲しいことに全滅していました。

 

暑い日も朝早くから水やり、草を抜き、肥料を与え。

あんなに一生懸命育てたのに。。。

と悔しさと、何年も感じたことのない怒りがこみ上げてきました。

 

幸いにも第二弾のトウモロコシを育てていたので、まだ、チャンスはあります。

※一度にできると食べきれないので時期をずらして育てたりします

 

今度は何が何でも収穫したいと完全にスイッチが入っており、新しい柵を作ることに。

 

前回は1Mだったものを倍の2Mにしてみました。

また、ネットの下から、潜入できなように数センチおきに杭を打ち、相当掘らなければ通れません。

 

もう、これで無理だったらビニールハウスを建てるしかないぐらいの超大作です。

 

それらがうまく行き、つい先日、待望のトウモロコシ1号を無事収穫することができました。

 

とりたてのトウモロコシの皮を剥ぎ、そのまま生で、ひとかじり。

「ん!甘い!」
まるで、フルーツの様でした。

 

何度も悔しい想いをして、ひたすら考えて、対策して、ようやく口にできたトウモロコシ。

そんな喜びがおいしさを何倍にも引き立ててくれました。

 

未だにタヌキなのか、イタチなのか?分かっていませんが、何度も対策しては失敗に失敗を重ね、そのたびに得られる情報を手掛かりに次の手を打つ。

 

答えの無い世界であり、沢山の答えがある世界でもある

 

仮説を立て、検証していく中で思っていた通りの結果が出ることほど『楽しい』ものはない。

 

大人からしたら、分かっている簡単な事でも、子ども達にとっては失敗を重ねて初めて見える景色があり、その先にある『楽しさ』がある。

 

改めて、子ども達の仮説・検証のプロセスを大事にしていきたいなと思いました。

 

 

 

舟木将人

 

前月コラム『無人島が教えてくれた事